踏んだり蹴ったり

私に起こった不幸とは関係なく日常は進んで行く。

28歳、冬。

季節は冬になり、私はそろそろがん検診に行かなければと思いつつも、家族全員が新型コロナウイルスに感染し何週間も自宅待機が続き、中々受診できずにいました。

そしてやっと予約が取れたのは3月。私は定期的にがん検診に行っていたので、予約が少し遅れてしまったものの今回も異常なしに違いない、とたかを括っていました。

しかし、その日は何故かソワソワして気分が落ち着かなかったことをよく覚えています。

……

後日、検査の結果を聞きに来た私は、診察室に呼ばれると、淡々と告げられました。

「はづきさん、この前の検査の結果だけどね、あなたは乳がんの可能性が高いです。」

目の前が真っ暗になる、とはこのことかと思いました。

偶然にもその日は、流産したあの子が産まれるはずだった予定日でした。

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